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「畜生ッ、聞いたか、昨日は芳坊ンとこがやられちまったらしい」
「だからお前、次郎吉[1]が跳び回っていた時代じゃありゃしまい、あんな鼠一疋獲らねえ猫を飼ってたって、なんの役立ちやしないと言っといたのに」
それを聞いた言い出しの男、屹と一言、
「え、馬鹿野郎、何吐かす、猫にゃナンの罪もねェ、猫は良い、あァ人間よりよっぽど良い」「なんだと、猫みたいな声出しやがって」畜生巡って喧々囂々。
[1]江戸時代に実在した、義賊として知られる鼠小僧。
というわけで、唐突に書きなぐった予定短編の文書を唐突に連ねてみます
おほう、びっくりするほど表現能力が無くてこれだけ書くのにものすごく日数を費やしてしまった
地の文がある物語を書いたのは殆ど初めてみたいなもんなので、どうなるかわからない
そんな見切り発車をしたのは、最近びっくりするほどつまらない手記ばかりなブログになってるので、ちょっとでも波を立てようという、それだけのことでした
あと文字サイズが若干でかいのは、ルビが小さすぎて読めないからです
起承転結の起すら書き終わっていない全くもって中途で終わる続きは「つづき」から
人の世が生まれ、法という罪を模る型枠が作られて幾星霜か。石川が煮られても種は尽きることなく[2]、煮汁を糧に次の新たな芽が息吹く。北方に海を臨み、建場[3]としての役廻りを備え、行き交いの喧騒の中にありながら秩序を保っていたこの町にも、水面を乱す、白い波一つ。
その白浪[4]、嘗ての義賊五右衛門や鼠と表裏成し、罪あるかなきかの市民の懐を漁っては贓物[5]蓄え、偸安姑息[6]に自堕落な生活の資としていた。天網[7]恐れぬ悪事の働きに、厚き徳望に泥を塗られし貴族は憤怒し、利の実を掠られ商家が息巻き、果ては富むにあらぬ茅屋までも喰尽され庶民は愁嘆す。鳥目巻上げ高利を貪る不徳商人から金品掻払い、貧者に分け与える義侠の徒ならば拍手喝采賛同の声を灌ぐ輩も出没たであろうが、賢愚邪正貴賤貧富老若男女の違いを弁えぬその様斯くの如し、全く以て破廉恥非道、彼の白波は只管義憤の的にして、然れど界隈最大の関心事であった。
否、白浪を以て最大とは言が過ぎたか過ぎざるか、この市井にはもう一つの関心が存在していた。町の南方に壁か屏風かと聳える霊峰奥深に出没れた怪鳥騒ぎ。片翼だけで一丈[8]に及ぶかの長大に蛭のぬめりを帯び、嘴先は卑しく歪に仰のき、放たれる不快な啼声は蛆が蠢爾するかの如く耳に侵蝕む、唯一美点は燦爛白磁と煌く鉤爪のみ。化け鳥現れたるは鬼魅が齎した奇禍なれど、紫宸殿ではなく[9]人為及ばぬ魑魅の領域を根城としたのは天が施した慈悲か、怪鳥は滅多に見場悪き体躯を人目に曝すことなく、唯その耳に触れるのみ。対岸よりも隣家の火難、怪鳥騒ぎが怪盗騒ぎに取代るのは時流と見えた。
その自然に逆らい、山と海が民衆の好奇に並立するまでに対岸[10]が再燃したのは、地獄の沙汰もなんとやら、一重に龍の宝珠ならぬ猛禽の宝玉に賭けられた賞金であった。
[2]石川五右衛門の辞世の句「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」。
[3]俥、馬車などの発着場。
[4]盗人。
[5]不正な行為で得た物品。盗品の類。
[6]目先の安楽を貪ること。
[7]罪悪を逃さぬため、天が張り巡らせた網。
[8]約3.03メートル。
[9]1334年怪鳥以津真天が紫宸殿上に現れた逸話。
[10]怪鳥騒ぎ。
ほほ、自分で言うのもなんだけど、これだけ稚拙な文章でこの分量、私なら読みたくない。
ちなみにこの町とこの霊峰、実を言うと立山付近を想像してました
だって建場のあった町って、鏡花さんの話に出てきた高岡-石動間しか知らないもの
もし目を通してみて、何か思うところがあった方は気軽に言ってください
特に、この単語の使い方おかしい、とか、この単語でこのルビは間違ってる、とかは恥ずかしいので至急…
あと、ふふん こんな言い回ししたらもっと恰好良いぜ、とか
特に最後、推敲してないので (´;ω;`)ブワッ なことになってるのは知ってます
あと、片翼3メートルって大きいの?小さいの?
一応ストーリー展開は決まってるんですが、続けられるのか続いても載せられるのかは天さえも知らないんじゃないでしょうか
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